ライダー / AKB48

AKB新参のわたくしですが、一通り過去の曲を聴いてみて、何曲が特に好きな曲があります。過去に「楽曲がいまひとつだ」なんて書いたけれど、それはハローの楽曲と比べ、自分の好みに照らし合わせての全体的な感想であって、好きな曲がないわけではないですよ、当然。
中でも特に好きなのが『ライダー』。team Aの3rd公演で歌われていた曲で、公演のDVDで初めて見て(聴いて)一発で気に入ってしまった。俺はこういう場合、その気に入った曲だけを繰り返し見て(聴いて)しまう傾向がある。おとめ組の『サマーナイトタウン』なんて何度繰り返して見たことか。とにかく、この曲を聴いて心を揺さぶられたのです。基本的に明るい曲調なんだけれども、うっかりすると涙が出てきそうな何とも言えない気持ちになった。
まず、メロディが好み。好きな曲を見つけると、だいたいまず作曲者を調べるけれど、この曲は酒井ミキオ氏。酒井ミキオと言えばハローの曲を何曲かアレンジしているけれど、それよりも岩男潤子さんの『ALIVE』というアルバムでアレンジやら作曲やらをやっていたなという印象が強い。そして、それらの曲を俺はあまり好きじゃない。だからちょっと意外だった。AKB48の曲の中でも酒井氏が作曲した曲ってこの1曲だけなんだよね。
さらに歌詞。初めて聴いたときには普通に聴こえたけれど、歌詞にじっくり耳を傾けてみると、明らかに亡くなった誰かへ向けて書かれている。コレに関しては曲の生い立ちに関わる部分だと後で知ることになる。
そして最後のコレが重要なんだけど、なんか駒谷仁美が良い。駒谷は青年館で見たときに印象に残ったメンバーではあるけれど、それは「うわー、アホっぽいなあ」とか「不思議ちゃんだなあ〜」とかそういう印象しかないわけで、歌う姿がかっこいいとか初めての経験だった。その他のメンバーを見ても、次の曲の『制服が邪魔をする』のメンバーと比べると明らかに干されメンですよ。けれど、『制服〜』よりも『ライダー』のほうがずっと心に響きます。まあこれはただ単に好みの問題かもしれないし、『制服〜』がそういう類の曲じゃないってのもあるかもしれない。
そんなわけでここしばらくはサルのようにこの曲を聴いていたわけだけれど、最近この曲についてちょっと調べてみたら、ある種特別な曲だということを知った。初期から劇場の常連だったファンの人が劇場で倒れ、そのまま亡くなってしまったということがあり、その人のことを歌った曲だということを知った。バイク乗りだったらしく、ライダーと名乗っていたそうで、劇場にMVPプレートもあるそうです。ベタっちゃーベタですけど、6月に亡くなった1人のファンのために、その2ヶ月後の3rd公演にはこういう曲を贈ることができるこの機動力。なかなか粋だと思います。
AKB48はこういったなかなか他に真似できない良い部分をどうか無くさないで欲しいと思う。昔に比べるとファンも増えて知名度も上がってTVにも出るようになって、それは良いことかもしれないけれど、そのせいでAKB48の良さが失われては本末転倒です。最近の並び時間のエスカレートとか見ていると、これからAKB48がどういう道を選んで進んでいくのかは結構重要でしょう。劇場の運営側もきっと悩んでいると思います。というかこの状況見て考えないようだったらおしまいですね。
どうでもいいけど(良くないか)、DVDに収録の『ライダー』、ラスト付近でハウリング起こしてるんだよね。他にもっと良いテイクなかったのかねえ〜。ちなみに、こんな曲です。