リボンの騎士 ザ・ミュージカル 初日

新宿コマ劇場

リボンの騎士 ザ・ミュージカル
会場:新宿コマ劇場
開演:18:00
いよいよ初日です。コマ劇前で友人らと合流し、入場。キャストの名前が入ったせんべいとか売ってる。あとDS Liteが全色普通に売っているのには驚いた。DS Lite欲しくてリボンの騎士を見に行く人は是非。定価だけど。
そんなこんなで座席に行くと、ステージがエライ近い。上手よりの1桁列前半で舞台を見上げる感じだが、ステージが円形なので思ったよりは全体が見えた。あと、運がいいことに上手の正面だったらしく、上手に来る演者はだいたい正面で止まる。
第一幕と第二幕の間に25分の休憩をはさんで終わったのは9時。上演時間は実質2時間半くらい。第一幕はサファイアと王妃が投獄されるまでで、第二幕はそれ以降と。ステージには宝塚チックな白い階段。
そんなわけで感想。結論から言うと概ね満足。

    • 全体の印象
      • リボンの騎士の基本ストーリーは押さえつつ、随所に娘。ならではのネタを織り交ぜ、きちんとミュージカルらしく音楽メインでまとめてある。木村氏はやってくれた。ありがとう。
      • 娘。ならではのネタというのは、やりすぎると内輪ネタだらけで白けてしまうが、しつこくない程度だったのであれはあれでいいと思う。せっかく娘。(と美勇伝)がやるんだから。
      • チンクのいないストーリーだが、結果的には良かったと思う。ラストもまあ、あんな感じでしょう。
      • 熱っちい地球がなんたらと比べると雲泥の差のセットや衣装、小道具。そして生バンド。今までのミュージカルがいかにひどいモノだったのかが浮き彫りになる。
    • 音楽
      • 『Mystery of Life』と『あなたに会いたい』は、曲調や歌詞を変えてなんども歌われるが、どれもかなり良い。CDにはサファイアの『あなたに会いたい』なんかは収録されていなくて残念。
      • みんな相当練習したんだろうなあ、という感じ。初日であんだけ出来れば上出来では。
      • バンマスのみうらじゅんみたいなギタリストの人が見ていて面白かった。
    • 問題のミニライブ
      • 危惧していたほどではなかったが、ラブマと『わたしがついている。』だけで良かったんじゃないかなと思う。いつもの様なステージングではなく、宝塚を意識した大人しい振り付け。ミュージカルをやる度に思うが、ムリしてミニライブやらなくていいと思うんだが。
      • 今回のミニライブは、それ自体がステージ全体に及ぼす影響よりも、場をわきまえない民度の低いヲタが頑張ってしまう機会を与えてしまったことが一番痛い。
    • サファイア:愛ちゅん
      • 舞台に近かったので表情とかもよく見えたのだが、愛ちゅんは相当気合い入っていました。女の時と、男の時のメリハリも思ったよりついていた。今回のキャストでサファイアをやれるのはやっぱり彼女だけだろう。
    • フランツ:石川さん
      • まずは最初の『Mystery of Life』のソロパートですよ。ドキドキしながらその時を待ちましたよ。結果、まずまずな感じで歌えていて、この時点で半分くらい満足した。
      • フランツ王子は比較的激情家というか、熱い系のイメージが個人的にあるので、フランツを演じる3人の中では石川さんが一番はまっているのではないかと勝手に思っている。この辺、まっつーとなっちのフランツも是非見てみたい。
      • まあとりあえず、石川さん決まってましたよ。ショートカットにしたのが良かったのかも。
    • プラスチック:小春
      • 小春のプラスチックは素晴らしい。原作のようにダメなだけのプラスチックではなく、割とまともな感じのキャラ作り。原作でサファイアの男の魂を飲んだ時の凛々しいプラスチックをちょっと見たかったが、終わってみればそれらの中間のようなプラスチック像だったように思う。
      • 演技もよっちゃんなんかより良かったし、ソロの歌も小春らしくて良かった。
    • ヘケート:ミキティ
      • 最初に出て以降、小一時間出番のないミキティ。しかし、ステージに出てきたときの存在感はすごいです。
      • 原作のヘル夫人とヘケートを合わせたようなキャラ。原作通りのおてんばヘケートもちょっと見たかった。ヘケートとしての見せ場が思ったより少なく、もう少し色々と引っかき回して欲しかった。
    • ジュラルミン大公:よっちゃん
      • 原作の太っちょキャラとは大違いにスマートなよっちゃんの大臣。前からそうだけど、よっちゃんの演技は個人的に今ひとつ。けど、舞台の演技としてはあんな感じのほうがメリハリがついていて良いのかも。
      • CDにも収録されている、ミキティとの『大臣の願い〜魔女』はなかなか素晴らしかった。
    • ナイロン:麻琴
      • やはりよっちゃんとのコンビが板に付いている。これに小春を加えた3人はなかなか面白い空気を作り上げていた。
    • 牢番:三好・岡田
      • レギュラー公演のピエールは三好。思ったよりもずっと歌えていた。けど、ピエールの見せ場が少ないのが残念。ピエールを石川さんがやるゲスト公演はちょっと楽しみ。
    • さゆ・れいな
      • この2人は淑女とスカウト。淑女の時のさゆの二の腕は気になる。れいなはたまに博多弁になる。
    • ガキさん・亀ちゃん
      • 淑女と騎士。淑女のときのキャーキャーっぷりと、騎士の時の凛々しい感じが好対照で素敵。特にガキさん
    • その他
      • セリフで気になったのはさゆの「(フランツ王子が)年に一度参られる」というやつ。「参る」ってこれでいいのかな?
      • サファイアリボンの騎士として出てくるのが1回きり。ま、これはしゃーないかも。
    • 苦言
      • こんな感じで、これまでの娘。のミュージカルと違ってヲタならずとも楽しめる作品になっていると思う。上演期間も夏休みなので、女の子やちびっ子に見てもらいたいものである。しかし、そういった客層を呼び込むにあたって一抹の不安がよぎる。そう、「ヲタ」だ。
      • さすがに劇の最中はそれほどでもないが、ミニライブになるともういつものノリである。さすがに場の空気ってものがあるのか、空気を読む人も多いと思うが、中にはそういった配慮が全くできない人ってのはいるもので、メンバーの名前を叫んだり、ピョンピョン跳ねたり。舞台上は明かにいつもと違う演出なんだから考えようよ。レスをもらいにミュージカルに来るなと。
      • いつものコンサートと違い、大衆演劇なんだからもう少し鑑賞マナーを意識して欲しい。せっかく見に来た一般客を引かせてしまっては意味がない。本当にモーニング娘。美勇伝を応援する気があるのなら、自分のエゴ丸出しで叫ぶだけでなく、もっと大きな視点で娘。を見て欲しいと切に思う。

というわけで、期待していたとおり、結構楽しめました。カーテンコールでは初日の挨拶として、よっちゃん、愛ちゅん、石川さんがそれぞれコメントを。これから約一ヶ月、無事に千秋楽を迎えて欲しいものです。
今後の予定としては、ゲスト公演を1公演ずつ、出来ればレギュラー公演をもう1公演といった感じで。ひょっとしたら千秋楽も行ってしまうカモ。